pagetitle

超絶に劣化したストライプの貼り替え施工



ストライプの貼り替え自体は、珍しい作業ではない。
ただ、今回の車両は、剥がしてみないと分からない要素を多く含んでいた。

この写真が、作業前の状態。
ご覧の通り紫外線と経年劣化によって、ストライプは完全に寿命を迎えている。
シートももはや原型を止めていない。

レアケースではあるもののここまでは、よくある話だ。


塗装との戦い/剥離作業

問題になりやすいのは、剥がす工程

劣化したラッピングは、
一気に剥がそうとしたり剥離剤などの使用をすると塗装を傷めるリスクが高い。

  • 温度を上げすぎない
  • 塗装を痛めない
  • 尖ったもので擦らない

当たり前のようで、ここを疎かにすると後戻りできない。

今回は、塗装を最優先に考え、
時間をかけて慎重に剥離を進めた。


剥がして初めて見えたもの

剥離が終わった段階で劣化して割れたシートの溝やストライプの貼ってあった後ではない
別の問題が姿を現す。 

  • ボディに残った深い直線傷
  • 明らかにカッターによる切り込み
  • しかも一本ではなく、長さは100cm以上

前の施工業者によるカッターカット痕だった。

これはラッピング業界では、正直珍しくない。
技術や経験が足りないまま施工すると起きやすい典型例だ。


「貼り替えればいい」状態ではなかった

この状態で、ただ新しいストライプを貼るとどうなるか。

  • 傷は確実に透ける
  • 光の角度でラインが浮き出る
  • 被せない場合は単純に傷がそのまま見える

見た目として成立しない。


全塗装という選択肢

もちろん、正攻法はある。

このレベルの傷なら、
ボンネットの全塗装をすれば確実に消える。

ただし、

  • ストライプ施工費を大きく超えるコスト
  • オーナーにとって現実的とは言えない

という問題が残る。


そこで取った判断

クレイジーカラーズが選んだのは、
できる限りコストを抑えつつ、完成度を落とさない方法

  • カッター傷の位置を正確に拾い出す
  • 傷のラインに沿う専用型データを新規作成
  • デザインとして傷を「隠す」のではなく「同化」させる

設計の段階で、見え方をコントロールする。


以前の施工で起きていたズレ

もうひとつ気になったのが、
以前のストライプの位置

センターが右に数センチずれていた。

今回は、

  • ボンネットの芯を再計測
  • 左右対称になるよう配置を再設計
  • ミリ単位で貼り込み位置を修正

見た目の違和感は、ここで完全に解消される。


仕上がり

完成した状態が、こちら。

  • カッター傷は視認できないレベル
  • ストライプは正確なセンター出し
  • 全体の印象も引き締まった

オーナーにも確認していただき、
仕上がりに満足してもらえた。


最後に

ラッピングは、
貼る技術だけで完結する作業ではない

  • 剥がし
  • 下地の状態確認
  • 取れる選択肢の整理
  • コストと完成度のバランス

それらを現場で判断し続ける仕事だ。

今回の施工は、
クレイジーカラーズが大切にしている考え方が、
そのまま形になった一例だと思っている。


補足

※本記事は実車両の施工記録に基づいており、
ラッピング剥離・ストライプ張り替え・カッター傷対応に関する判断は、
車両状態・塗装状況によって異なります。

     
           
  • カラードストライプ
  •        
  • ドアエッジプロテクション
  •        
  • ドアノブガード
  •        
  • レトロデカール
  •        
  • サイドストライプ
  • グレア ターボアクション